「くそっ」 男の人は舌打ちして、ズカズカと私に近付いて来た。 「え、何……わっ」 慌てて逃げようとした時にはもう遅く、ぐいっと手首を掴まれて部屋に引き入れられる。 壁に力強く叩きつけられ、口元を手で塞がれて。 「んーー!?」 手足をばたつかせて抵抗しても、びくともしない。 「……口止めしとかないとな」 余裕の顔でペロ、と舌なめずりをしてニヤニヤと笑う。 そのまま、顔を近付けてきた。 気持ち悪い。 「う……っ」 涙が出てきて、目をギュッとつむった。