豹変上司に初恋中。

―――


「……編集長ー」

7時50分、ちょっと休憩室で寛いでから、買った缶コーヒーを手に戻ってきた。


やっぱり、まだ居ない……?

あ、鞄ない!まさかもう戻ってきて帰ったとか。

慌ててキョロ、と見渡した瞬間、目に入った男の人。

「え」


誰?いつ来たの?

深く被った帽子と、真っ黒いパーカー。
とても会社内の人には思えない。


……それよりも。

「それ、私の……」


化粧品だとかあまり見られたくない物が色々入ったポーチ。

私の呟いた言葉に、相手はハッとして顔を上げる。


やっぱり、見たこと無い。