豹変上司に初恋中。


――

「……………」


編集長に連れられて来たのは、有名な老舗だった。



ここ、物凄く高級な……

萎縮していると、丁寧に礼をして女将さんが入ってくる。


「お待ちしていました」


うわ。

綺麗な人……
見とれていると、女将さんと目が合う。



……睨まれた、気がするんだけど。


気のせいだよね。


若干ショックを受けている私を無視して、編集長は女将さんに挨拶している。

爽やかな笑みを携えて。



どこが女嫌いよ。

私への対応とは打って変わった態度の編集長に、心の中で悪態をついた。