豹変上司に初恋中。

文句を言おうと、ちょっとムッとして編集長を見遣った。


でも、言葉を紡ぐ事は出来なかった。



「『付き合う』なんて良い関係じゃねーな」



その顔は、蔑むような、悲しむような……

そして、どこか自嘲している表情。

でもそれも一瞬で、すぐに威圧的なあの表情になった。


「……とにかく、この事は誰にも言うなよ」



「私には結構あっさりバラしたじゃないですか」


頭からさっきの表情が消えなくて戸惑ってしまい、つい反抗的に言ってしまう。


編集長は全く気にした様子もなく車を動かしはじめた。