「全然、いつもと違うなぁって」
「ふーん。『いつも』、ね」
呟くように言った私の言葉に、シートベルトをしながら心ない相槌を打つ。
反応薄い……。
「俺さ、女嫌いなんだよな」
「…………は?」
「仕事で群がられたら迷惑」
飄々と言ってのける編集長。
仮にも「女」である私に何てことを言うんだ。
それに。
「あの女の人と、付き合ってたんじゃないんですか?」
かなり酷い物言いをしていたけど、付き合ってたはずだ。
「あの女……ああ、アイツらか」
やっぱり、嫌な感じの言葉遣い。
「……って、アイツら?」
一人じゃないの?
最低。


