豹変上司に初恋中。


これが、本当の編集長の性格なのかな。



だとしたら、寂しい。



私は「優しくて、仕事が出来る」編集長しか知らなくて良かったのに。

あ、でも携帯、届けようとしてくれたんだった。

んー……。


「悪い」

考えていると電話が終わったのか、編集長が乗り込んで来た。



「いえ」

「……なんか言いたげな顔してんな」


ちらりと視線を送る私に、ニヤリと編集長が笑う。

心を読まれたみたいで、ビクッと肩を揺らしてしまう。


私は少しオドオドしながら口を開いた。