豹変上司に初恋中。


「あんな事言われたのに、か? 」

脱力したように呟いて、頷いた私に「本当、変なやつだな」と笑う。

昴さんは口元に笑みを浮かべたまま、食事に手をつけた。

「……」

それにならって、私も手を合わせてから、ご飯を口に運ぶ。


普通を装いながら、昴さんとの食事の時間がすぎて行く。

「……あ」

ふと、視界の端にとっくりが目に入る。

私はそれに手を伸ばした。

「……昴さん、明日は休みですよ」

「ああ」

「つまり、二日酔いできますよ!」

そう言って、勢いよく注がれていた日本酒を飲み干した。