一瞬、その真意が読み取れなかった。 「だから、」 という言葉で、私の思考は遮られたから。 「呉羽、悪かった。忘れてくれ」 「え……?」 「さっきの俺の行動。…気の迷いだ。全部」 「!!!」 それは、一番悲しい言葉だった。 一気に私の目に涙が溜まっていく。 でも、見られちゃ駄目だ。 「……失礼、します」 必死に震える声を抑えて、私はその部屋を飛び出した。