「で危ないかと思って、追い掛けようとしたらあの女に捕まったんだよ」
「そ、そうだったんですか。ありがとうございます」
それは有り難い……って
「その格好で来られても私気付けないですよ」
「頭ボサボサにして眼鏡かけときゃ気付くだろ」
な、なんかかなり大雑把。
車に乗ろうとせず突っ立っている私に、編集長が面倒臭そうに車のドアを開けて促す。
「なんでも良いから乗れって」
「は、はいすいません!失礼します」
イライラした雰囲気に負けて、私はエスコートに従って素早く車に乗り込んだ。
……ちょっと、かなり、強引だ。この人。


