「うるせ」 面倒臭そうに溜息をつく目の前の男が、編集長? 「ふ、服とか髪型とか、さっきと全く違うじゃないですか!!」 「あー? ちょっと整えただけだろ。服も着方変えただけ。小物付け足して」 「いやいやいや!」 まさに梓が言ってた「化けた」だよ。 「ていうか、なんで……」 仕事の時だけ、あんな感じにしてるんだろ。 でも、さすがにそこまで聞くのは踏み込みすぎかな。 思い止めて黙り込んだ私に、編集長は首を傾げてからガシガシと頭をかいた。 「ま、今日は助かった」