「君は、用心深く物事を考える。それは評価できるところだが、たまにそれ故に立ち止まってしまう」


「……はい」


「だから、君が持ち出した企画は必ず成功すると思ったし、その積極性をとても嬉しく思ったよ」


「!!」


パッと顔を上げると、編集長はいつもの笑みを浮かべている。




「二人に期待しているからこそ、七瀬さんの仕事の付き添いを君にお願いしたい。どうかな?」


「……っ」


どうして、この人は……

俯きがちに、私は首を縦に振った。

「私でよろしいなら、喜んで。やらせてください」


……ああ、ほら。

私の言葉を聞いて、彼は本当に嬉しそうに微笑むんだ。