「もう…辛いよっ…」



泣きながら、

俺にしがみ付く北川。



「お父さんの馬鹿…」



「そんな言葉言ったら駄目だよ」



「王子、本性出していいよ…?」



……!

コイツ…知ってたのか?

俺はそっと北川を抱きしめた。



だけど…

伝わってくるのは

美冬のときのような

温かさや幸せじゃなくて、

ただ…

悲しみと不快感だけだった。