美冬の目には大粒の涙。


な…!!?

何で泣いてんだ!?

俺何かした??



「何で…?」



「何も、ない…もんっ」



…嘘だ。



「何も無くて泣いてんのか?
 俺…何かした??」



「う…ううん、本当に違うよ!
 章ってば心配性なんだから~っ」



笑顔で返す美冬。

でも…俺には分かった。

その笑顔は本物じゃない事を。

無理して作った笑顔なんだと……


美冬がそこまでして

隠したい事なら俺は深くは

聞かねぇよ…。



美冬を傷付けたくないから…