あの日屋上で



「嘘……」



泣きそうな日野。


ごめん。

何故か日野には言いたくなって…



「本性、拓也と日野しか
 知らねぇから。
 絶対……言うなよ?」



「嘘でしょ…?」



もう放心状態。

何でそこまで…?



「お、王子を演じてた…?
 じゃあ今までの言葉も、
 優しさも笑顔も…
 全てっ……嘘だったの!?」



「……あぁ」



俺は静かに答えた。



「そんなの…嘘だっ!
 あたし、嬉しかったのに!!
 馬鹿みたいじゃん…!」