「つ、つるりさん」

「つゆり」

「あ、ごめんなさいっ!つ、栗花落さん!もう朝なんで起きて下さい!」

一科目目、英語のテストがあるんです!
早く行かないと遅刻になっちゃうんです!!

「分かった起きる・・・でも、その代わり」

急に栗花落さんが近づいてきた。
そ・・・その代わり・・・?

「飛我・・・俺の下の名前で呼んで?」

「は・・・はい・・・?」

「そしたら起きてあげてもいーよ?」



チュッ



栗花落さんは私の髪に軽く唇をあてた。
て、ていうかもう起きてますよね?

「さ、桜君・・・?」

「萌える〜、『君』呼びって新鮮だね!」

も、萌える?

「じ、じゃあ私テストがあるので・・・」

「あ、ちょっと待って!」

ま、まだなにかあるんですか?
私は後ろを振り向いた。

「おはようのキッス!!」

「・・・しません!!」





バタンッ!!





「・・・ちぇ〜」


 * * * 


「(ききききキッスだなんて・・・ッ!!///)」

朝からなんて大胆な事を言うんですかあの青年・・・じゃなかった桜君っ!!
い、今私すごく顔が熱いです!!

「(て、手震えてる・・・)」

・・・初めて、男の子と喋った。



『飛我って近くで見ると美人ー』

『俺の下の名前で呼んで!』



会話って、こんなにもドキドキするものだったんだ。

「(ていうか桜君だからドキドキするんだ!)」

ん?
それってどういう意味?

「あれ?桜君だから?へ?」

あ、あれぇ〜???



「燕ちゃん!おはよー!!」

「おっはー燕ちゃん!!」



「ら、蘭ちゃんにキミちゃん!」