夕暮れキャンバス




あたしは春の不安を全部取り除いてあげることはできなかったのかもしれない。



だけど、空を見上げる春は穏やかな顔をしてて。


ちょっと安心した。



あたしだって彼氏がいきなりいなくなったら泣くと思う。

でもそれが春だったら泣くどころじゃ済まないと思う。



だから春がさっきあたしに不安そうに聞いてくれたのが嬉しかった。

必要とされてる、って感じで。


で、安心したらこういうの、なんかいいな。

って思った。


春には悪いけど。





だから






“君と過ごす、こんな日々が



ずっと続きますように――”







って、この夕暮れに強く願った。





あたしにとって



彼氏よりも


友達よりも


ずっと大事な君が





ずっと傍にいますように、って――――――