ある冬の日


その日もいつも通り菜々子のクラスに向かった



「菜々子~帰りにたこ焼き食って帰ろ~」


「……うん…」


「菜々子、どうかした?」


「……うん…」


「たこ焼き、菜々子の奢りな?」


「……うん…」


「菜々子顔、具志堅に似てるね」


「……うん…」


「…………。」



菜々子は何を話しかけても上の空


窓の外を見たままボーッと一人で黄昏ていた


仕方ないので俺は菜々子に話しかけるのを諦めて、隣にいる優ちゃんに事情を聞いてみることにした


優ちゃんは高校に入ってから菜々子が一番に仲良くなった、今や親友と言ってもいいぐらいの女の子で


男がほっとかねー様な容姿とスタイルで実際メチャクチャモテる


正反対の菜々子がよく仲良くなれたなーって思ったけど


優ちゃんと話してみて納得


中身はサバサバしてて、美人なのにまったくそれを鼻にかけたところのない普通の女の子だった


「優ちゃん、こいつどうしたの?」