そして俺と菜々子の受験戦争が始まった
俺たちが受ける高校は地元では中程度のレベルの高校で
それでも頭の悪い俺にはかなり高レベルな高校に思えた
バカだと思っていた菜々子は合格圏内余裕だったのには正直驚いたけど
放課後の菜々子の家も
菜々子んちのお泊まりも
すべてが受験勉強一色に染まって行く
「あ~!もうやだ!ギブ!」
「ダメ!これ解いたら休憩にするから、頑張って解きな!」
「え~無理!もう俺、落ちる~」
「もう!そんな縁起の悪いことばっかり言わないの!ホラやるやる!」
こんな時だけちょっとお姉さんっぽい菜々子
頭のチョンマゲがそれとは対照的で笑えるけど
「何笑ってんの?」
「別に~?この問題見てただけ~」
「ふーん、それちゃんと解けたらご褒美あげるよ」
「え…?」
俺の心臓がその甘美な響きにドキリと大きな音をたてて鳴った



