「昨日、千恵美おねーさんに会った時に浬世也の話になったの」


「うん」


「そしたら千恵美おねーさん、『浬世也くんってかわいいなぁ~私大好き~』って言ってたの!!すごくない!?」


「……」


嬉しそうに話す菜々子に俺は絶句してしまった


こいつバカだ…


小学生のガキ以下だな…


単純すぎる脳細胞に頭痛すら覚える



「無理だろ!俺みたいなガキ相手にする訳ね~よ!!」


「え~何で!?好きって言ってたんだよ?」


「好きって意味が違うだろ」


「意味って何がよ?かわいくて好きって言われたのが嫌なわけ?」


「は!?」


俺はその菜々子の言葉と態度に何故かものすごくイライラしていた


自分が何にここまでイラついてるのかはこの時まだ分らなかった


この目の前の単純で天然な女に心底あきれて
勢い任せてこう言っていた


「好きってのはそういうんじゃねー!」