俺は菜々子のその言葉に固まった


菜々子かーちゃんを見ると、しまったって顔をしてる


俺の母さんの話しはしなかったみたいだな


菜々子かーちゃんは俺に申し訳なさそうにして急いで菜々子にそのことを話し出した




「菜々子…」


「なによ!」


「浬世也くんのお母さんはね…」


「うん?」


「先月亡くなられたのよ…」


「え…」



怒っていた菜々子の顔に
困惑の色が浮かぶ



「うそ…ごめ…」



そしてそんなに大きくない菜々子の瞳にドンドン溜まっていく涙



俺はこんな場面で不謹慎だけど可笑しくて



笑ったり、照れたり、怒ったり、泣いたりする
菜々子のその百面相が可笑しくて



悲しい話を思いっきり、笑っちゃったんだ



「泣くなよぉ~~」


「泣いてない!」


「…ははは!」


「笑うな!」




要するにあの時…