約束の大空 1 【第1幕、2幕完結】 ※ 約束の大空・2に続く





ねぇ、貴女はどうして私に語りかけてくれるの?



義助さんと晋作さん。
二人についていく。


そう決めて、宿を飛び出して以来
ずっと私の中に語りかけてくれる声。



『舞、あっちに行っては駄目。

 あれは薩摩。
 そして……向こうは、会津。

 義助たちの仲間ではないから……。
 あの場所に行っては駄目』



そうやって私を守るように、
心の中に流れ込んでくる声。


貴女は誰?


そう問いかけた私に貴女は答える。
私自身が驚く中身を。


*

『私は……舞……。

 貴女自身……』


*




嘘だと思った。

何言ってるのって、暴言を吐きたかった。


だけど……この世界の記憶がない私には、
どうすることも出来なくて。


だけど……この声を拒絶するには
この世界は寂しすぎて。


その声に縋る【すがる】ことしか出来なくて。




ねぇ、私は誰?




どうして……記憶がないの?
何故【なぜ】この場所に居るの?



あの日から問い続ける答えは今も届かない。




『ねぇ……舞……心細い?
 記憶がないのは……不安?』



「そりゃそうよ。

 記憶がないなんて地面に足がついてないんだもの。
 不安すぎるよ」



突然の問いかけに私は心の中で答える。



『そう。
 なら舞は私を抱けばいいよ。

 私は舞。貴女自身だから』