瑠花さんや、花桜さんと
敵同士なのだと自覚した次の日。


義助さんや晋作さんたちと
とある店へと連れて行かれた。


その場所には何人かの人たちが
たむろっていて「明日、決行する」っと……
その中の誰かが、静かに響き渡る言葉で告げる。

その途端、周囲から歓喜の声があがった。



「舞、引き返すなら今だよ」



義助さんが小さく呟く。



このまま何も知らないままで居られたら、
良かったのかもしれない。


だけど……もう戻れない。
私は知ってしまったから。

だったら私の目指す道は一つだけだよ。

二人と共に歩いていく未来を。



「連れて行ってください」




私は義助さんと晋作さん、
二人の夢を応援したいから。


一番近くで見守っていたいから。


その日から私の周囲は慌ただしくなった。


皆が鎧に袖を通し盃を交わしあう。


……えっ……。


ふと脳裏に浮かび上がるビジョン。
私はこの光景を知ってる?




まさか……。



靄が一段と強くかかったように頭の芯が痺れていく。



「舞、顔色が悪い。

 やっぱり……君は連れて行けないよ」








やっぱり君は連れて行けないよ……。



……やっぱり君は連れて行けないよ。







……連れて行けないよ……。