朝起きていつものように八木邸の雑用をこなす。


朝食の準備も床掃除も洗濯も手慣れたもので、
今では時折手の空いた隊士たちが手伝ってくれるようになってた。


隊士の人数も少しずつ増えて、
今では屋敷の中がごった返すほど。


その分、洗濯物も多いわけで
一人で全てをやりこなせる量ではなくなってきてるのも
手伝ってくれる理由であった。


そしてもう一つは、過労で倒れたのが原因だと、
体調崩した折に山崎さんが近藤さんや土方さんたちに
口添えしてくれたのも功を奏したようだった。


早々に仕事を終えると、
瑠花の居る前川邸へと向かう。

芹沢さんと沖田さんに助けられたあの晩から、
瑠花はすべてを拒絶するかのように心を閉ざし一言も話さない。


生きることを拒絶するかのように
食事も遠ざけてしまった。



「瑠花」


瑠花の部屋の前、座って声をかけながら
今日も手が付けられることがなかった
朝食の粥を眺める。