大和屋の一件があってからも、
鴨ちゃんの態度は変わらない。

そんなある日……とうとう完成しちゃった。


その立札に綴られた、

『士道ニ背キ間敷事』


この一文を見た途端に私の脳裏に浮かんだのは
その全文。



その立札の正体は新選組史上もっとも極悪な、
局中法度書(きょくちゅうはっとがき)。


漢字とカタカナで綴られた古典的な文が
立札に綴られている。


隊員たちは……その立札を見つめて
ざわついていた。


浪士組も人数が増えて浪人の寄せ集めを
まとめるには厳しい規律が必要だって。


確か、そんな考えのもとで土方だったが、
ドラマの中では作ってた。


中身は確かこんな内容。


一、
士道に背くまじき事

一、
局を脱するを許さず

一、
勝手に金策致すべからず

一、
勝手に訴訟取扱うべからず

一、
私の闘争を許さず




そして、その法度に触れて
闇に葬られるのは鴨ちゃん一派。



ヤバイっ。


もう……、歴史は
ここまで来てるんじゃン。



前髪をかきあげた指で頭を掻き毟ると
屋敷の中へと戻っていく。