「有難うございました」





訓練を終えて指導してくれた三人に一礼をした後、
騒々しい足音が近づいてきた。




「花桜っ!!」




大声で私を呼ぶその声に
慌てて、背後に見つめる。




肩で息をして……整えながら、
声を出そうとしてる瑠花。




「瑠花、
 どうしたの?」




ゆっくりと瑠花の方に出掛ける。




離れていた時間、どんな生活をしていたかなんて
私にはわからないけど数か月ぶりに再会した瑠花が目の前にいる。



「花桜っ。
 
 ちょっと来て」




瑠花は、私の腕を強く引っ張ると
また走っていく。




連れて行かれる先は、
私が行くなと言われている前川邸。




あまりの出来事についてきてくれた
さっきまでの先生たちの方を振り返る。





「山南さん……。

 すいません、
 瑠花について行ってきます」




そうやって声だけかけると、
その場所へと踏み込んだ。




「ほらっ。
 花桜、舞っ。

 舞、見つけたんだよ」




瑠花が凄く嬉しそうに声を弾ませて
私を振りかえる。



部屋の一室に正座して外を見つめる
舞の姿を見つけて、私も慌てて舞の方へと駆け寄った。




「良かったぁー」




そう言いながら、
舞の体を思いっきり抱きしめる。




舞……、痩せた気がする。





「ねぇ、舞……。
 今までどうしてたの?」



抱きしめながら問いかける。