「おいっ、山波。
 俺は忙しいんだ。

 飲み物おいたら目障りだ。

 とっとと出ていけ。

 山崎、報告してもらおうか」




追い出される形で、体を押されると、
拒絶されたかのように障子はパシ-ンっと
締め切られてしまった。





あぁ、
またやっちゃった。





その後は、
道場へと飲み物を運んでいく。





「お疲れ様です。

 お飲み物、
 お持ちしました」




訓練に疲れた隊士たちが
のどを潤すために近づいてくる。



順番に配り終えると、
隊士たちに組長と慕われる人たちの方へと
順番に飲み物を運んだ。




「お疲れ様です。
 藤堂さん、永倉さん、原田さん」



三人は、差し出した飲み物を
受け取ると一気に喉元を通過させていく。





「これが酒だったら
 もっといいんだけどなー」

「左之さん
 それしかないの?」

「うるせぇー」



そんな漫才コンビを
横目で見ながら次は、
斎藤さんのもとへ差し出す。 



「斎藤さん。
 どうぞ、飲み物です」

「すまない」



一言、そう言うと彼もまた受け取って
喉を潤していく。



「あっ、あの。
 沖田さん、お飲み物を」

「僕はいらないよ。
 少し出掛けてくるよ」




沖田さんは、相変わらず
掴みどころがなくて。





それでも……ここ道場に来ると、
自然と気が引き締まる。