瑠花と再会して、
京で暮らし始めて数か月。


芹沢とか言うどっかの誰かさんが
小姓にしろなんて言ったもんだから
私の一日はもうめちゃくちゃ。


私はあんたたちの小間使いじゃないんだからね。



そう思いながらも私が今、
生きてられるのはここでご飯を食べさせて貰ってるから
ってのは紛れもない事実。



だけど何でこんなに仕事があんのよ。




朝、まだ日が昇る前に布団を抜け出して、
隊士たちのご飯を作るお手伝いをする。



その後、屯所の中の大掃除。
庭の手入れをして屯所中の雑巾がけ。



その後は盥【たらい】の中に隊士たちの汗臭い
着物たちをいれて、ざふざふと豪快に洗う。


井戸水を何度も何度もくみなおしながら。


それら全部を竿に干し終えたら一息つく間もなく、
それぞれに仕事や訓練をしてる隊士たちに、
飲み物を振る舞っていく。




ったく、どれだけ人使いが荒いのよ。
この場所は。




しかも私の自由はほとんどきかない。



今でさえ、まともになってきたけど
どいつもこいつも刀に手を添えて、
睨みを利かせたら全部解決すると思ってる。




どんだけ、バカの集まり集団なのよ。



最初の数日間の刀チラ見せの嵐を思い出す。


「失礼します。
 飲み物お持ちしました」

「あぁ。
 
 山波くん、
 そこにおいといてくれ」


指定されたところに飲み物を置くと、
次の場所へ順番に移動していく。