えっ?




「瑠花?
 舞?

 ねぇ、瑠花と舞は何処?」




思わず、目の前に居た私を助けてくれたらしい
男の人の肩をガシっと掴んでゆさゆさとゆさぶる。



「おいっ。
 
 ったく……お前さぁー、
 やめろよ。

 それに……ちょっとは自分の置かれた状況考えたら?」



男の懐には、
キラリと輝く光。



ゆっくりと一歩ずつ
後ずさりしながらも
相手を真っ直ぐに見据える。




「ちょっと待った。

 オレ、お前とやりあうつもりはないからな。

 仕事に忍びこんだ屋敷で、
 いきなり上からオレつぶすように降ってくるし、
 オレ、ちゃんと受け止めたったやろ。

 まぁ、お前……柔らかくて
 オレも嬉しかったけどもうチョイ、
 ふっくらしとるほうが好みやけどな」



はぁ?
何言ってんの?

コイツ。




「まぁ、そうやってオレ睨んでも
 問題は 解決せーへんよ。

 で、アンタなんであんなとこ、
 おったんや?」




なんで、
あそこに居たって?






そんなの私が聞きたいよ。





ここ……ホント何処なんだろう。



見れば見るほど時代劇の中みたいな景色で、
目の前には、うす暗い空が広がるばかり。




見慣れた電柱の柱も、
電線も見当たらない。