敵と向き合いながら、
両者、刀と刀を向き合わせながら
一歩も許さない、沖田さんと敵方浪士。




沖田さんと戦ったとされてた人……。
確か吉田って名前だったかな?


あと一人は誰?





睨みあう、三人。




一瞬のうちに、刀と刀がぶつかり合う音が聞こえて
そのまま吉田って人が倒れ、沖田さんもフラフラと
体をよろめかせてぶっ倒れた。



斬り捨てられた一人。



そして、倒れながらも沖田さんが倒れたのを見て
私に剣を向ける一人。



私も剣を握りなおして、その人に切り込んでいくと、
その人は二階から屋根伝いに外へと飛び出した。



逃げたその人を深追いすることなく、
すぐに瑠花がいってたように
沖田さんの傍へと近づく。




「沖田さん?」






汗が吹き出し、青白い皮膚の色を見せて
倒れている沖田さん。




TVで映ってるみたいに、
吐血したわけじゃなさそう。





瑠花、沖田さん大丈夫そうだよ。





そう思いながら、懐に忍ばせてあった
塩をゆっくりと取り出して
沖田さんの口の中に少しふくませた。




ポカリとかあったらいいのに。





二階から下を見下ろすと、
そこには別行動していた土方隊が合流して
池田屋事件は終幕を迎えたみたいだった。





土方隊が到着してから、
新選組は「斬り捨て」から「捕縛」へと指令が変更。


九名打ち取り。四名の捕縛。







すると階下から、
二階へと駆け上がってくる足音。