「……無理だよ……。

 瑠花と舞を置いて親友の居ない、
 親友が存在した形跡もない
 あの世界で生きていくなんて
 私には出来ないよ……。

 だから私、覚悟決めたんだよ。

 この世界で、生き抜いて三人で帰るって。

 だから舞、私に力を貸してよ。

 私と瑠花と舞。
 三人であの世界に絶対に帰るんだから」




そう力強く言い切った、
花桜はちょっと心が強くなった。



そんな気がした。





それに比べて……私はどうなんだろう?



覚悟を決めたはずなのに、
まだまだ私の覚悟は弱すぎて。



「はいはい~っ。

 舞、私も居るからねー」



そう言って中から駆け出してきて、
私をゆっくりと立ち上がらせる瑠花。
 



束の間、この場所に
私たち三人がはしゃぐ声が響いた。 




「良かった良かった。

 山波君、岩倉君、加賀君。
 今後も頼んだよ」



そう告げられた近藤さんの言葉に
元気に返事した、花桜。


瑠花も覚悟を決めたように、
沖田さんと視線を合わせてゆっくりと頷いた。


私は……まだそこまで慣れない……。




「ねぇ、花桜。
 久しぶりに、舞と試合してよ。

 全国大会ぶりでしょ。

 二人で、総司をやっちゃうとかどう?」



軽いノリで告げた瑠花の一言。


瑠花の隣には、嬉しそうな笑みを浮かべながら、
すでに目が笑ってない沖田さん。