約束の大空 1 【第1幕、2幕完結】 ※ 約束の大空・2に続く





見れば……見るほど
……綺麗なんだけど……。






「ほらっ、
 さっさと動いて……」




促されるままに、
その見慣れない町を歩いていく。



その人の歩幅を追いかけるのに
必死で、歩き続けて辿りついた場所は
時代劇に出て来そうなお屋敷。




「総司。
 出掛けていたのですか?」



屋敷に入ってすぐ、
穏やかな声が聞こえる。




「えぇ」

「そちらは?」

「あぁ、見られたんですよ。
 人殺しの瞬間を」 

「総司、それはいけませんね」

「その場で口を封じても良かったんですけど
 とりあえず、近藤さんに指示を仰ぎたくて」

「連れてきたと言うのですね」




耳を澄ませて聞いて捉えられる名前、
総司……って。





まさか、


「沖田総司っ!!」







思わず叫んだ私は周囲を見渡して
慌てて、口に手を当てた。






「貴方、総司の名を
 ご存じなのですね」





落ち着いたら口調で、
ゆっくりと話しかけるその人が
近づいてくる。



私の全身を上から下まで
じっくりと見つめる。






「見れば……見慣れぬ服装を
 纏ってらっしゃいますね」





二人の男性に凝視されて、
鞄を掴む指先に力が入る。




「申し遅れました。
 
 私は山南敬助。
 
 総司の殺しを目撃された
 不可思議な衣を纏った貴女を、
 野放しにすることなど 出来ないのですよ。

 総司、その方を奥の部屋へ。
 他の隊士たちに見つからぬうちに」

「はい。

 始末の判断は、
 上の人に任せますよ。

 ただし……息の根を止めるときは、
 僕に言ってくださいね。

 僕の獲物ですから」




沖田総司。
山南敬助って……。