戸惑う私たちをしりめに、さっさと行動を実行した沖田さんのお蔭で
初めての屯所からの外出が決まった。
私たち二人が歩く後ろを、ピタリと寄り添うように
沖田さんが付きまとう。
やっぱり、それはそれで息苦しい気がするけど
それでも……この場所は知らない土地だから。
この時代の人たちが居てくれるのも
心強いのも確かで……。
「あっ……あの……。
花桜って見つかりそうなんですか?」
こんなチャンスもないだろうと……
思い切って言葉を切り出す。
その途端、震えはじめた瑠花の体。
そっか……。
今の瑠花は、花桜の名前もキーワードになっちゃう時があるんだ。
そのまま……うまく呼吸が出来なくなって、
その場所でうずくまっていく瑠花。
そんな瑠花を後ろから抱え上げて、
お姫様抱っこをしたまま、
病院と思われる場所に駆け込んだ。
瑠花を抱いて、ツカツカっと入り込んで
医者をせっつき穏やかに呼吸を取り戻した瑠花を見届けて、
私の方へ近づいてくる。
「岩倉はここで休ませるよ。
さて、君の質問は山波の情報だったね。
まだ見つかってないよ。
神隠しにあったみたいだと山崎くんが言っていた。
ある場所で、ピタリと足跡が消えている。
そこから先で、消えることなどない場所でね」
……花桜……。
「加賀だったね。
行きたいところに行くといいよ」
花桜を病院に預けたまま二人で、
町の中に戻ったものの瑠花が居なくなって、
二人だけになってしまうと、
正直、気分転換じゃなくて拷問に近いわけで……。
その上……町の人たちが……私たちを見つめる視線も痛い。
「沖田くん」
そんなギスギスした二人の空間を切り離すように
言葉をかけてきた救世主もまた斎藤さんで。
「斎藤さん……。
今日も彼女のところにお出かけですか?」
えっ?
彼女?
突然の言葉に驚きながら、
そんな言葉に驚いてる自分自身にもびっくりしてる。
彼女も何も、私には関係ないじゃない。
「あぁ」
目を細めて、柔らかな眼差しで
答えた斎藤さんに何故かイラついて。
そんな自分自身にもイラついて。
「加賀も出掛けていたのか……」
その眼差しが、自分にむけられると邪険にすることも出来ず……。
「はいっ。
あっ、いっときますけど二人じゃないですから。
瑠花と一緒に来てたんです。
だけど……」
「岩倉は町の中で倒れて今は養生所。
仕方がないから私が付き添っていようと思うんだけどね。
加賀のこともあって」
「ならば、加賀のことは私が預かるとしよう」
あっという間に……私の今後の行動は、
斎藤さんと行うことになって。



