「何で…っ?!」



祝詞さんは口に含んでいた煙草の煙を吐き出した


「何でって…そんなの美の性格からして判るだろ。何かもぅ諦め悪そーだし?」


いたずらっぽく笑って顔を覗き込んでくる



「なっ…(当たってるけども!)でもそんな生半可だって判ってて…こんな私────」



「だからー前から言ってンじゃん。俺だけを見るまで待つって」



祝詞さん…


「てか前からかなり待ってンだけど。」


「…すいません;;;」



きっと…いや絶対、この人なら先輩より好きになれる日が来る…。



「───祝詞さん…私…」


「…」


「…?祝詞さん?の…」


「グ───…」



寝てるし…。



───私は祝詞さんのサラサラな髪を撫でた


「…いっつも話の途中で寝るもんなぁ…」


「グ───」


「────祝…詞」



今だけ呼び捨てをしてみた



普段から“祝詞でいい”と言われてはいるけど、いざ本人を前にすると恥ずかしくなってしまうんだ



「…美…」


それに反応してか、私の名前を呟き寝返りをうった



「っ!!」


私は驚いて後ろの壁に頭をぶつけた



「…心臓に悪い…」



当分はまだ“祝詞さん”でいっか…。