万里は手前の1つ空いた席に座った。


───え?私はどうすれば…



「君が美ちゃん?あそこに座って座って」


「あ、はぃ」



さっき万里に手を振り返していた“あっくん”に指示されたのは、万里の斜め向かいの席。


…あれ?隣に1つ空いてるけどここは…



ドカッ


見つめる先のその席にずっしりと座ったのは栃村だった


「は?何であんたが…」


「あ?悪ィのかよ?」



まさか


こいつも出席者…?


「つーか、お前呼んだの俺なんだよ。」



「…え─────っ」



せっかく中学高校と離れてこいつの存在忘れかけてたってのに…


偶然会っちゃって、と思ったらそれは奴の思惑で



…こんなにも最悪な出会いはないよ…


一瞬祝詞さんの時と比較したが、右隣の視線にすぐに今の状況に戻された。



「美ちゃんってリアクション面白いね。」


左隣に座っている男が絡んできた


「いえそんな…」


「おいチ美!これ飲めよ」



人と話しているというのに、そんなのお構い無しに私の肩をバシッ と叩いてきた