本当に優しいんだ…祝詞さん。


「…ありがとう…」



『…』


「…祝詞さん?───祝詞さ…」


『…グ──…グッ…れ?何だっけ…じゃまたね』


「えっ寝て…っ祝詞さ…──切られちゃった…」



──でも安心した


何がかは分からないけど…何か安心した。



あとは私次第

いつか気持ちを切り替えて…



もしかしたら、あの人と向き合うことになる…。



───でも、こんな生半可な気持ちの私を


それまで待っていてくれるのだろうか…。



「────美ちゃん♪」


次の日、万里が気持ち悪い口調で呼び掛けてきた。


「…。」



こういう時は大抵何か企んでいる。


「ねぇ、今日の夜暇?工業のタメと合コンするんだけど美も行かない?」



やっぱり。


「行かないっ私そーゆーの苦手って言ってんでしょ?」


「それは知ってるけど人数足りなくて!それに美じゃなきゃ…」



「?何で私じゃなきゃ?」


「…いっ…いいから行くの!部活終わってから直行ね。逃げんなよ?」



そう言い捨て、自分の教室に戻っていった。