「万里…その話本当…?」


「本当だっての。だからこんなに────…え?!ちょ美…何泣いてんのっ?!」



先輩が誰かにとられてしまう…


私が優柔不断なばかりに…


「…う゛っ…だっで…」



私が、その先を恐れて何も出来ないくらい


内気なばかりに────…



「大丈夫だって!先輩より先に美が告っちゃえば…」


「…うん…」



────その夜、私の携帯に着信が掛かった。


“祝詞さん”



「…はい」


『もしもーし、俺お…あっ、詐欺じゃないですよー♪』



何かテンション高い気がする…。


「あの…何か用ですか祝詞さん?」


『だーかーらー祝詞でいいってばー。今ねぇトイレ行って来たぁ…てかぁ会社で飲み…来て…──アハハッ』



何言ってんだこの人は


「つまり今酔ってるんですね?」


『ン───なわけなぃだろ?俺の名字はぁ…沢瀬だーっ』



どうしよう…ウザい…。


「用ないなら切りますね…」


『あー待って待っ…ズ────…』



ズ───て!!


「…寝たんですか?」


『ガツッ───…あっ…寝た?寝たないよー』


もはや会話にならない…。


(元からだけど。)