受話器越しの耳に響く冷たい言葉に鳥肌が立った



「…殺っ…そんなこといくら何でも口にしちゃ…」


『だって俺美のこと好きだもん』



重いとかそういう問題じゃなくて


「…祝詞さん…」


『前から言ってンけど…俺はいつでも本気だから』



いつもなら嬉しいはずが


今回は少し、恐怖心を憶えてしまう自分がいた



その“本気”が何に対してか判らなかったから…。



私への想い?


それとも───



お兄ちゃんへの殺意…?



「…あっ…の、昨日の指輪ありがとう…とても可愛かった」


話をそらすように話題を替える


『あぁ、よかった気付いてくれて。洗濯されてたらどうしようって内心ハラハラしてたンだよね』


「あはっ…だから最後にあんなこと言ってったんですよね」



『まぁ…』



あ、今照れたな…。



顔が見えなくても判る


…こんな風に、心の中まで見れたらいいのにな…