「…俺、ゆりちゃんと別れるつもりはないよ」
「奏多…」
わたしの手を握って、忠見さんにそう言ってくれる奏多。
パパは味方じゃないと知った今、その言葉が心の底から嬉しい。
「お前なんかにゆりちゃんは渡さない。結婚はさせねぇよ」
「ほう…口の利き方も知らない子供にそんなことができるのかよ」
「勝手に言ってろ。後で泣くのはお前だ」
「ふん。どっちだか」
割り込めない、2人の男の口論。
見たことないくらいの奏多の鋭い目付きは、わたしが怯えてしまうくらい。
「…分かった。こうしよう」
「?」
黙って聞いていたパパが、やっと口を開いた。


