「―――…なん…だよ、それ…っ!?」 一部始終を聞いた奏多が、その場で立ち止まった。 2、3歩進んだところで手が離れ、わたしは振り返り彼の元へ戻る。 「…冗談とかじゃなくて、本当の話?」 「…うん」 「……」 言えるものなら、嘘だって言ってあげたい。 言ってあげたいけど… 「……奏多。ごめん…なさい…」 断りきれなかったこと、すぐに話せなかったこと、悲しませたこと、…全部ごめんなさい。 …そう、謝ることしかできない。