「……」 夕梨亜は口を開かない。 瞬きすることなく、俺の目をじっと見る。 「1年前、夕梨亜宛てに奏多くんからメールがきていたんだよ」 悲しい目なんてしてやらない。 最初から、こうしようと思っていたんだ。 「送ってやるから、見てみろ」 「…?」 携帯を取り出して、操作する。 送信ボタンを押してすぐ、夕梨亜の携帯が鳴った。