玄関を開けた瞬間、いっぱいの木の匂い。 真新しいこの匂いは嫌いじゃない。 「気に入った?」 「…うん」 白を基調とした、綺麗な内装。 既に小物まで何もかも揃っていて、まるで誰かの家にお邪魔している気分。 …なんだか落ち着かない。 彼の前では笑ってみるけど、まだ心はここにはない。 …そのうち慣れるのかな。 「荷物、片付けてくるね」 「あぁ」 持ってきた私物を抱え、リビングを出る。 階段を上がって、わたしの部屋に向かった。