「―――じゃあ、今日はここまで。気をつけて帰るように」 10分遅れで、うちのクラスもホームルームが終わった。 …みんながわたしをにやにやと笑いながら見ているのは、気のせいだろうか。 ただの自惚れだと信じ、構わず帰りの準備。 「夕梨亜ちゃん、また明日!」 「あ、うん、ばいばい」 手を振ってくれたエナちゃんに、笑って振り返した。 …さてと。 廊下でなぜか楽しそうに立っている男もいるし、わたしもそろそろ教室を出ようかな。