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「はい。どうぞ」
「…ありがとう」
家に入り、忠見さんが紅茶を出してくれた。
我が家のキッチンを、何の迷いもなく使えてしまう彼。
つい最近まではうんざりしていたこんなことも、今日は不思議と気にならない。
それどころか、 彼の温もりに心を落ち着かせてしまう自分がいる。
…なんて、そう思うのは、紅茶の温度がちょうどいいからなのかな。
「大丈夫か?」
「…うん」
ダイニングで向かい合って座る2人。
…何だかまるで夫婦みたい。
そんな馬鹿なことをふと考える自分に呆れ、小さくため息をついた。
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