一瞬のことだった。 「…ゆり…っ!?」 わたしの思いがけない行動に、驚きを隠せない様子の忠見さん。 今まで拒んできたわたしが、自分から迫っていくなんて、夢にも思わなかったのだろう。 今の一瞬、忠見さんがわたしを阻止する隙なんて、一秒たりともなかった。 ……奏多もこんな感じだったのかな…