……ふと、足が止まってしまった。 1列目の下駄箱の裏側に、あると思っていなかった姿。 「奏多…?」 もう帰ってしまったと思っていたから、そこにある存在に驚いた。 「…どうしたの…?」 下駄箱に寄りかかって、無気力にうな垂れる奏多。 下を向いて、わたしと目を合わせようとしない。 …絶対、何かあった。 奏多の表情に、一気に不安が胸を渦巻く。