好きとごめんのその先に



一見違うようで、実際は同じ状況にいるわたしたち。



別の存在を想いながら、目の前の人の体温を感じる日々。



どれだけ苦しくて、どれだけ切ないのか。



わたしなら、彼の気持ちが少しだけ分かる気がする。



…彼がその張本人なのが、笑っちゃう話なんだけど。




「…忠見さん」


「…?」



わたしの呼ぶ声に、俯いていた顔を上げる忠見さん。



「…どうして、わたしなの…?」



ずっと心に引っ掛かっている疑問を、彼に投げかけた。