「俺、こういう時間が一番幸せだなぁ…」 耳元でそんな言葉が聞こえた。 「何もしなくても、ゆりちゃんと2人でいる時間が一番好き」 そう言って腕に更に力を入れる奏多。 ぎゅっと抱きしめられて、奏多の体温が自分のもののように感じる。 …わたしも好きだよ。 ほかの誰でもない奏多との空間が、一番落ち着くの。 心の底から安心できる。 「ゆりちゃん大好き」 「…うん」 耳元で囁かれて、“わたしも”と言う代わりに、奏多に腕を回して頷いた。