好きとごめんのその先に



階段を上った突き当たり。



8畳ほどのこの部屋は、シンプルで落ち着く空間。



棚の上には2人で撮った写真が飾られていたり、小さい頃にわたしがあげた大きなクマのぬいぐるみが置かれていたり。



そんな些細なことから、愛されてるんだなって感じる。





「そんなじろじろ見たって、何も変わってないよ」



グラスを2つ持った奏多が上がって来た。



「はい、どうぞ」


「ありがとう」



コンとテーブルに置かれた、オレンジジュースが入ったグラス。



気付いていないふりをしているけど、毎回わたしの分の方が少しだけ多い。