他愛もない話をして、すぐに着いた奏多の家。 第二の自分の家のように思えるくらい、昔から馴染み深い。 「ママさんはまだ帰ってないの?」 「みたいだな。どうせ井戸端会議だろ」 「はは、お話好きだもんね」 奏多のママさんは明るい人で、小さい頃からいつもわたしに優しくしてくれる。 この場にいなくても、目を細めた笑顔が容易く想像できる。 「飲み物持って行くから先に部屋に行ってて」 「うん」 リビングの奥の階段を上り、慣れた足取りで奏多の部屋に向かった。