「ゆりちゃん。…俺のこと、信じてる?信じてない?」
「え?」
一瞬目を瞑って息を吸い、奏多が口を開いた。
「俺があいつとのことを全部聞いたらゆりちゃんのことを嫌いになるとか、そう思ってる?」
わたしの目をじっと見ながら、質問を質問で返してくる。
「…ううん」
ひと呼吸置いて、首を振った。
「奏多のことを信じていないわけじゃないよ。…ただ、全部を話して嫌な思いをさせてしまうなら、言わない方がいいと思ったの」
「……」
素直な気持ちを、そのまま口にする。
不思議となにも怖くない。
「きっとこれからも、あの人はわたしの部屋に来る。
…だけど、嫌だとは言えないの。パパのためにも自分のためにも、できるだけ波風立てたくない」
「……」
「…それでも奏多は、わたしを信じてくれる…?」
真剣にきいてくれる奏多に、今度はわたしが投げかけた。


